応用例
ゴム液の高速調整
ゴム液は、接着剤やシール剤、塗料、カーペットバッキング剤、タイヤなど、さまざまなものに使用されています。天然ゴムだけでなく、ネオプレンやブタジエンなどの合成ゴムも使用されます。
プロセス
ゴム液の用途によって製造工程や粘度・材料は多少異なりますが、一般的に次のように処理されます:
- アセトンやトルエン、メチルエチルケトン、ヘキサンなどの溶剤をタンクに入れる
- 多くの場合ゴムは粉末、片状またはブロック状で、通常、ブロックや大きなゴム片の場合、溶剤に投入する前にカッティングや粉砕が必要
- ミキサーを始動し、ゴムが完全に溶解するまで何時間も攪拌し続ける
- 着色剤やフィラー、安定剤、潤滑剤など、他の材料を混合液に投入して分散させる
課題
従来型のアジテーターでゴムの溶解をしようとすると、いくつかの問題が生じます:
- 完全に溶解するのに長時間の攪拌が必要になる
- ゴムのカッティングや粉砕工程はコストや時間の増大になる
- 粉砕済み/粉末ゴムはコストが高い
- 溶剤損失を最小限にとどめる必要がある
- ネオプレンなどの合成ゴムは強度が高く、粉砕や溶解に高いせん断力が求められる
- ゴムの凝集塊ができないようにタンクの底に固形分が沈まないようにする必要がある。凝集してしまうと混合することが不可能で、タンクの清掃が非常に困難
ソリューション
シルバーソン高速せん断ミキサーならこうした課題に対処することができます。シルバーソンは、既設の設備への導入が容易なインライン型ミキサーから溶解プラントまで、幅広く取り揃えています。シルバーソンミキサーは次の原理で処理します:
Stage 1
インラインミキサーの強力な吸引によってタンクから溶剤とゴムがローター/ステーターのワークヘッドに引き込まれます。
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外周に向かって 押し出され、ローターブレードとステーターの間 の精密なクリアランスで粉砕効果がかけられます。
Stage 3
材料がステーターを通して押し出されると同時に新 しい材料がワークヘッド内に引き込まれます。短い循環サイクルによってタンク内の材料すべてがワークヘッドを通過し、短時間のうちに溶解が完了します。
メリット
オプションはできるだけ密閉タンクに取り付け、過剰に昇温しないようジャケットを装着します。蓋は別に冷却し、溶剤の蒸気が結露して液に戻されます。この方法により、コストのかかるタンクやミキサーシャフトのシールをせずに溶剤損失を最小限に抑えられます。
インライン型ハイシアミキサー
- 高効率アジテーターをタンク内で併用する必要がある
- アジテーターでペレット状、粉体のゴムを溶剤に分散する
- 材料がインラインミキサーのワークヘッドに引き込まれ、強力なせん断がかけられる
- 段階的に細粒化して溶剤に触れる表面積が大きくなり、溶解が促進される
- インラインミキサーの自給ポンプの働きによって溶液がタンクに戻される
メリット
- インラインミキサーは既存の設備への導入が容易
- バイパスすることなくすべての材料が循環で確実に処理される
- インラインミキサーはタンク内の大量の材料を一度に処理するのではなく、ワークヘッド内で少量ずつ集中的に確実に処理し、エネルギー効率が高い
- ローターの高速回転による工程時間の短縮
- 溶液をミキサーからタンクに循環させるための追加のポンプが不要
2連型分解/溶解ミキサー
- より大きな片状・ブロック状の材料の処理には、従来型のタンク取り付け型のアジテーターに代わって、2連型分解/溶解ミキサーを使用することが効果的
- 上側のワークヘッドが上方から材料を下に引き込んで第一段階の破砕をかけてから材料を液中に放出
- 次に下側のワークヘッドが液と固形分をタンク下方から吸い上げ、さらに細粒化し、溶解工程を促進
- さらに細粒化し、分解工程を早めるにはインライン型ハイシアミキサーをシステムに組み込むことが可能
メリット
- ゴムをあらかじめ細かく切断、破砕する必要がない。大まかに破砕された材料をそのままタンクに投入することができ、2連型ミキサーによって細かく分解され、溶解されるため、工程時間を大幅に短縮できる
- タンク内の強力な攪拌流によって凝集を防ぐことができる
D2500大型粉砕/溶解システム
- ベール状、ブロック状、また形や大きさを問わず、ゴムを直接タンクに投入
- ゴム塊がボトムエントリーミキサーの荒刃分解ヘッドに引き込まれて素早く分解される
- ゴム塊が粒大程度になったらインラインミキサーを始動し、さらに細粒化される
- 強力な攪拌と細粒化によって溶解工程が促進される
メリット
- ベール状、ブロック状、また形や大きさを問わず、ゴムを直接タンクに投入することができる
- ゴムの予備粉砕、事前の破砕や切断の工程を省ける
- 工程時間の大幅短縮
- ロット間の清掃が容易で、作業環境の汚れやごみの発生が少ない
- タンク1つですべての工程を完了できる